貿易ニュース 8月2009年 

26/08/09 オーストラリア産緑茶を日本に輸出 − 豪農水林相
26/08/09 ワイン業界の輸出マーケットが広がる − 西オーストラリア州
26/08/09 エジプト企業がラクダの屠殺場を建設 − 南オーストラリア州
26/08/09 入れ歯などの安価な輸入歯科用品に警告 − 豪歯科用品業界
26/08/09 州政府は遺伝子組み換え作物の試験栽培に満足−西オーストラリア州
26/08/09 豪州で2例目となるインフルエンザに感染した豚を発見−ビクトリア州
19/08/09 真珠養殖業者は今シーズンが良くなることを期待−西オーストラリア州
19/08/09 抗酸化物質を多く含む”スーパー・ブロッコリー”を開発
19/08/09 政府の信用保証が得られず多額の輸出契約を見逃す−豪ウール業界
19/08/09 7月も新車乗用車の販売が依然上向き − ニュージーランド
19/08/09 先住民社会を巻き込んだナマコ養殖事業に期待 − 北部準州
19/08/09 タイがオーガニック産物のオーストラリアへの輸出拡大に意欲
12/08/09 伊藤忠商事が豪乳業会社の株式を取得、ウールから乳製品に注目
12/08/09 7月の豪産ラムの日本向け輸出量が増加
12/08/09 オーストラリアのトラクターの販売が好調
12/08/09 動物保護団体による生体羊輸出廃止の要求に反論 − 農家連盟
12/08/09 7月のオーストラリアの新車自動車販売は商用車が依然好調
12/08/09 アジアへのサクランボ輸出に優位 − タスマニア州
05/08/09 連邦政府が廃業するロブスター漁師に給付金−西オーストラリア州
05/08/09 カンガルー業界は新しい市場開拓を迫られる−クイーンズランド州
05/08/09 人から豚インフルエンザが感染した豚が見つかる − NSW州
05/08/09 連邦政府にロブスター漁師への廃業手当てを要請−西オーストラリア州
05/08/09 世界初のマヒマヒの養殖事業はあきらめない−西オーストラリア州
05/08/09 大手マグロ養殖業者昨年度は600万ドルの赤字−南オーストラリア州

                                                                

08月26日2009年 オーストラリア産緑茶を日本に輸出 − 豪農水林相
  オーストラリアはすでにイタリアにオリーブオイルを輸出しており、今度は間もなく緑茶を日本に輸出することになる。 
  連邦政府トニー・バーク農水林相は、緑茶が輸出拡大の可能性があるとした農村産業研究開発コーポレーション(RIRDC: Rural Industries. Research and Development Corporation)の報告書を今日発表した。 
  この報告書では、ニューサウスウェールズ州セントラルコーストのGosford やほかのオーストラリアのいくつかの地域が、高級緑茶を生産するのに適した気候や環境にあるとしている。 Gosfordの気候は、日本の緑茶栽培で有名な静岡県と非常に良く似ている。 セントラルコーストやビクトリア州のOvens Valleyなどでも現在小規模に緑茶を栽培しているが、日本の需要に応えるために規模を拡大できるかもしれない。 オーストラリアの緑茶の収穫時期は、偶然にもアジアで昔からの風習で、新年に緑茶などの贈り物を贈る時期である。 RIRDCの報告者によると、日本の家庭は毎年8万トンの緑茶を消費し、中国に続いて世界2位の消費量である。 2005年にはオーストラリアは650トンの緑茶を輸出し、緑茶の輸入量は2005年までの過去3年間で3倍になっている。 
  バーク農水林相は昨年、輸出を増やすために、オーストラリアにとって最大の農業貿易のパートナーである日本を訪れている。 同相は、「オーストラリアは農産物の約60%を輸出している。 政府は農家と協力して、新しい農産物輸出の機会を開拓していく。 農産物の輸出は地域の雇用を増やし、オーストラリアの経済に貢献する」と話した。 
  RIRDCの報告書で緑茶に関しての事実は次の通りである。

* 世界の緑茶の消費量は年間60万トンで、10年前に比べて20%増えている。
* 緑茶の原産地は中国で、4,000前年まえから栽培されている。
* 世界でお茶を飲む人の4分の3以上が紅茶を飲んでおり、5人に1人が緑茶を飲んでいる。
* 最近の研究では、心臓病や一部のガンのリスクを減少させる効果があるとしている。

(Source: The Hon. Tony Burke MP Minister for Agriculture, Fisheries and Forestry, Media Release DAFF09/305B, 23/08/09 "Green tea to Japan: potential new agricultural export industry")
08月26日2009年 ワイン業界の輸出マーケットが広がる − 西オーストラリア州
08月26日2009年 エジプト企業がラクダの屠殺場を建設 − 南オーストラリア州

  エジプトの企業が、オーストラリアで初めてとなるラクダ専用の食肉処理場を南オーストラリア州に建設することを計画している。 
  エジプトの大手食肉輸入業者Magdiens社は、今後2年間のうちに、スペンサー湾地域に1,500万ドルをかけて最新式の屠殺場を建設する。 この処理場では年間10万頭の野生のラクダ、50万頭の野生のヤギ、約40万頭の羊を処理することが出来る。 このニュースは、オーストラリア政府が1,900万ドルをかけて野生のラクダを駆除すると約束したことを受けたものである。 
  Magdiens社のマグディー・アシャラム氏は、「オーストラリア政府がラクダの駆除を見直すことを望んでいる。 過去8年間、政府はラクダの商業化を試みてきたが、すべて失敗している。 政府は年間10万頭のラクダを駆除するとしているが、それは我々が屠殺場でやる。 その方がラクダを殺して、そのまま死体を砂漠に放置するより良い」と話した。 (Source: ABC, 24/08/09 "Camel abattoir being set up in SA")

08月26日2009年 入れ歯などの安価な輸入歯科用品に警告 − 豪歯科用品業界
  歯科用品製造業界によると、歯科医師は患者に対し、使用するクラウン(歯冠)、入れ歯、その他の歯科用品がどこで製造されたのかを知らすべきであるとしている。 これは先週、輸入の歯科用品にニッケル、鉛、カドニウム、ベリリウムなどの重金属が使用されていると警告されたことを受けたものである。 Oral Health Professional Associationの歯科技工士専門学校は、患者は安い規格外の歯科用品を使用するかどうかを選ぶ権利があるとしている。 歯科備品の納入業者で組織するオーストラリア歯科産業協会も、歯科医師がオーストラリア医薬製品登録(ARTG:Australian Register of Therapeutic Goods)のリストに登録されていない歯科器具やアマルガム(合金)をインターネットで購買することが増えていることに懸念を示している。 オーストラリアではARTGに登録されていない療法用商品(Therapeutic Goods)を使用することは禁じられており、これに違反すると個人では55万ドル、法人では550万ドルまでの罰金となる。 
  しかし、オーストリア歯科医師会(ADA:Australian Dental Association)ニューサウスウェールズ州支部のアンソニー・バーゲス支部長は日刊紙エイジ紙に書簡で、「歯科用品産業の懸念は”根拠のない言いがかり”である。 それらのグループはだだ売り上げを上げるために言っているだけである。 歯科医師たちはARTGに登録されていない療法用商品を使用することは違法となることは十分に理解しており、患者の治療に安全なものを使用している。 患者は、使用する歯科用品についてARTGに登録されているかどうかを歯科医師に聞くだけで権利が保証されている。 道理的で正直な医療提供者は必要な情報を公開することに問題はない」と話した。 
  オーストラリアの歯科補綴業界は、ビジネスの約半分を海外の低コストの研究所に奪われている。 オーストラリア製とする歯科用品調達業者が増えており、受けた注文を人件費や材料費が安い韓国、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、中国などの国々に発注する。 安全基準の低いそれらの国々で生産された商品コストは、オーストラリア産と比べて6分の1の安さである。 各患者ごとの特注の歯科用品はARTGの規則に従っており、歯科用品調達業者は規制のない分野で、合法的にビジネスを行なっている。 
  オーストラリアで最大の特注歯科用品のメーカーである Race Dental Laboratory社のブラッド・レースCEOは、「入れ歯の70%は海外で生産されている。 これは我々の業界にとって厳しいものである。 患者は自分の口に入っている物が、どのような物か、どこから来た物かを知らない。 例えば、魚屋に行けば、オーナーはこのエビがオーストラリア産か台湾産かを我々に知らせる義務がある」と話した。 (Source: The Age, 24/08/09 "Dental suppliers feel import bite")
08月26日2009年 州政府は遺伝子組換え作物の試験栽培に満足−西オーストラリア州

  西オーストラリア州政府の農業大臣は、同州での遺伝子組換え操作を行なったカノーラの最初の試験栽培は有益なものであると話した。 Great Southern地区とWheatbelt地区の17ヶ所が試験栽培の場所として選ばれ、現在農家が栽培結果の検証を始めている。 
  同州南西部やGreat Southern地区の多くの地元住民は、遺伝子組換え操作作物を禁止することに投票している。 しかし、テリー・レッドマン農業大臣は、「遺伝子組換え操作を行なったカノーラについて、農家から肯定的な回答を受け取っている。 彼らは必要な化学的な選択が出来ることに励まされている。 いくつかのケースでは、より安全な化学的な方法を取り入れることができ、それが農家たちの農業システムに大変適している。 遺伝子組換え操作を行なったカノーラは、初期の段階では好評である」と話した。 
  一方、環境保護団体グリーンピースは、一般大衆の意見の提出締め切りが今日なのに、政府がその前に見解を発表したことへの不適切性を批判した。 これに対し、レッドマン農業大臣は一般大衆の意見提出の締め切りを4週間延長するのに同意し、「グリンピースの主張はもちろん拒絶する。 議会で遺伝子組換え操作を行なった作物禁止の継続を求める前から、私はこれを見直すことを強調してきており、一般大衆は周知のことである。 さまざまな宣伝手段を利用し、みんなに今何が起こっているかを説明したい」と話した。 (Source: ABC, 19/08/09 "Govt encouraged by GM canola trials")

08月26日2009年 豪州で2例目となるインフルエンザに感染した豚を発見−ビクトリア州

  オーストラリアで2例目となる豚インフルエンザに感染した豚が、ビクトリア州Goulburn Valleyの養豚場で発見された。 ビクトリア州政府第一次産業省は、豚がエサを食べないことが判明して、8月17日から調査を始めた。 この養豚場は検疫の為に封鎖され、獣医が引き続き調査にあたっている。 同第一次産業省は、州政府の福祉省、業界団体のオーストラリアン・ポーク、ビクトリア州農家連盟、連邦政府農業省と協力して対応に当たっている。 
  オーストラリアで最初に豚インフルエンザに感染した豚が見つかったのは、7月にニューサウスウェールズ州の養豚場で、人から豚に移ったとされている。 (Source: ABC, 19/08/09 "Swine flu outbreak at Victorian piggery")

08月19日2009年 真珠養殖業者は今シーズンが良くなることを期待−西オーストラリア州

  西オーストラリア州Kimberley沿岸の真珠養殖業界は、現在真珠の水揚げの真っ盛りで、今年は真珠の価格が上がるのを期待している。
   Cygnet Bay Pearl Farm社のジェームス・ブラウン氏は、「真珠養殖業界は昨年非常に厳しい状態であったが、今年は良い価格が付き、良いシーズンになると信じている。 我々の商品のほとんどは海外に輸出されるので、おそらくオーストラリア経済の前に、金融危機の影響を受けた。 2008年9月には一晩で真珠の販売が止まってしまい、その後も毎回販売する際に苦戦を強いられてきた。 しかし、最悪期は脱した模様で、今後は良くなっていくと思う」と話した。 (Source: ABC, 12/08/09 "Pearl industry hoping to restore its shine")

08月19日2009年 抗酸化物質を多く含む”スーパー・ブロッコリー”を開発

  オーストラリアとニュージーランドの科学者たちのチームが新しいタイプのブロッコリーを開発した。 この”スーパー・ブロッコリー”は、抗酸化物質の含有量が従来のブロッコリーより40%多く含んでいる。 
  このプロジェクトを率いるロッド・ジョンズ教授は、科学的に健康に良いことが証明されており、消費者はこの新しいブロッコリーを購買することになるだろうと信じ、「これだけの抗酸化物質を含んでいる最初のブロッコリー、いや最初の野菜となるこのブロコリーは科学的に研究されている。 現在検査しているのは試験的に栽培されたブロッコリーで、市場に出回るには、最低限の抗酸化物質の含有量が常時確保されなければならない。 我々がもう少し自信が持てるようになってから、消費者が購入できるようになる」と話した。 (Source: ABC, 18/08/09 "Super healthy broccoli developed")

08月19日2009年 政府の信用保証が得られず多額の輸出契約を見逃す−豪ウール業界
  オーストラリアのウール輸出業者は、世界的な経済危機の間、連邦政府からの輸出信用保証が受けられないことにより、多額の輸出契約を失ったとしている。 
  フォーマル・ウエアーに対する消費者の需要が世界的に落ち込んでおり、その素材である極細のメリノ種羊毛の需要も減少している。 輸出契約は、もし海外のバイヤーが支払い不能になった際に、政府の信用保証によって保護されている。 しかし、政府の信用保証枠は経済危機により枯渇してしまった。 
  メルボルンのウール輸出業者Lempriere社のウイリアム・レンプリエー氏は、「ニュージーランド、中国、カナダなどの国々の政府は、迅速に積極的に輸出信用保証を行なっているが、オーストラリアはそうではない。 信用保証がなければ、オーストラリアの輸出業者は注文のキャンセルや商品の損失につながる。 我々の輸出ビジネスは、競争相手であるニュージーランドや中国に奪われており、これはウールだけでなくすべての輸出ビジネスにも言えることである。 オーストラリアの輸出業者は中国やヨーロッパのマーケットにおいて不利な立場にある。 オーストラリアの官僚たちは、『バイヤーが現金で支払ったらいい』と世間知らずなことを言い、非協力的である。 連邦政府貿易省の中にある部門のExport Finance and Insurance Corporation (EFIC)が以前、信用保証を与えてくれたが、民間の輸出保険が活発化し、それに引き継ぐとして数年前に保証を停止している。 しかし、最近の世界的な金融危機により、民間の保険会社も輸出保険から撤退する動きがある」と話した。 (Source: WAtoday, 16/08/09 "Wool exports slump as insurance dries up")
08月19日2009年 7月も新車乗用車の販売が依然上向き − ニュージーランド

  7月のニュージーランドの新車乗用車の販売が依然上向きで、6月より3.8%増加した。 ニュージーランド政府運輸省の統計によると、7月の新車乗用車の登録件数が、6月の4,306件を上回って4,473件となった。 
  ニュージーランド自動車産業協会(MIANZ)のペリー・ケアCEOは,「今回の新車乗用車の登録件数は、今年4月の大きな落ち込みから回復基調にあることを物語っている。 一方、好調な新車乗用車に比べて、新車商用車は6月と比べて30%減少し1,267台となったが、今年に入って月単位では3番目に販売台数が多い月となり、長期的に見て励みになる」と話した。 
  7月から中国のGreat Wall Motor(GWM : 長城汽車)社がニュージーランド市場に、地元販売代理店Ateco Automotive NZ Ltd社を使って商用車の販売を開始した。35台の小型トラック(UTE)を販売し7月では商用車メーカーの中で上位8位にランクされた。 今年に入ってからのメーカ別の乗用車と商用車を含めた新車販売マーケットシェアーは、1位がトヨタで19.3%、2位がフォードの12.4%、ホールデンが9.2%で3位となった。 車種別では、トヨタ”カローラ”が今年に入ってからの累計で2,066台、ホールデン”コモドア”が1,544台、スズキ”スイフト”が1,419台となっている。  (Source: MIANZ, 04/08/09 "Modest Upward Trend for New Passenger Vehicle Sales in July")

08月19日2009年 先住民社会を巻き込んだナマコ養殖事業に期待 − 北部準州

  養殖産業が先住民のアボリジニ社会の戦略的な雇用創出の方法であると認められているが、この数年アボリジ二人を巻き込んだ効率的な事業のこの計画が頓挫している。 しかし今、ナマコ養殖事業がアボリジニ社会にとって大きな可能性があると期待されている。 
  北部準州政府漁業省のアン・フレミング氏は、「ナマコ養殖は毎日の管理が楽である。 先住民の地域社会近くの湾にナマコの幼生を放すだけである。 現在 Goulbourn Island とGroote Eylandtでの養殖を計画している。 基本的には、幼生を湾に放ち、ナマコ自身がエサを見つけて育っていく。 収穫期には地域のアボリジニ人が収穫する。 試験的な養殖は2010年4月から始める予定である。 アボリジニ社会は長年、養殖事業への可能性は理解している。 しかし、まだ初期の段階であり、すぐにでも成功するような彼らの気持ちは抑制しなければならない。 今回の試験養殖は、生物学的に研究されており、大変科学的なものである」と話した。 (Source: ABC, 12/08/09, "Sea cucumber ranch trial to begin")

08月19日2009年 タイがオーガニック産物のオーストラリアへの輸出拡大に意欲

  オーストラリアでのオーガニック食品の生産が、急速に高まっている需要に追いつけず、タイがオーストラリアへの輸出の拡大を狙っている。 
  オーストラリアでのオーガニック産物の消費量は、毎年40%づつ増えているが、生産量は毎年6%から15%の間の増加に留まっている。 オーストラリアのオーガニック業界は、生産の拡大は政府の支援がないことで妨げられているとしている。 オーストラリアの輸入業者はすでに、ヨーロッパやアメリカからの供給先を確保しており、今回タイがオーストラリア市場でのマーケットシェアーを高めるために名乗りを上げている。 (Source: ABC, 12/08/09 "Thai organics for Australian market")

08月12日2009年 i伊藤忠商事が豪乳業会社の株式を取得、ウールから乳製品に注目

  日本の商社の伊藤忠商事は、かつてオーストラリアで生産されるウールの20%以上を買い付けていたが、今はオーストラリアの酪農産業に注目している。 今回、伊藤忠商事はビクトリア州東部にあるBurra Foods社の株式を3,800万ドルで取得した。 同社の食品部門のマネージャーのクレイグ・ビンセント氏は、「伊藤忠商事がオーストラリアで乳製品の会社を保有するのは今回が始めてのことである。 Burra Foods社のような評判の高い企業の45%の株式を持つことによって、伊藤忠商事がサプライ・チェーンの一役を担う絶好の機会である」と話した。 (Source: ABC, 11/08/09 "Japanese wool buyer turns to dairy")

08月12日2009年 7月の豪産ラムの日本向け輸出量が増加

  7月のオーストラリア産ラムの日本への輸出量が前年同月比15%増の663トンとなった。 この増加は主に、輸出に適した太った羊の供給が不足していて昨年7月の輸出量が少なかったことによるものである。 今年の羊の供給は昨年より改善されているが、羊の価格と豪ドルの高騰により、さらなる成長は抑制された。 
  7月の日本向けラムの内訳は、冷蔵ラムが夏休みの需要を反映して昨年の7月より22%増えて557トンとなり、逆に冷凍ラムは10%減って106トンで2007年2月以降最低の数字となった。 (Source: MLA, 06/08/09 "Lamb exports to Japan rise in July")

08月12日2009年 オーストラリアのトラクターの販売が好調
  機械産業が世界的な経済危機の影響を受けている中、6月のオーストラリアの新車トラクターの販売台数が記録的なレベルに達した。 
  Agriview社の機械アナリストのアラン・カーステン氏は、「今年6月のオーストラリアでの新車トラクターの販売台数は1,850台弱で、1987年12月以来最高となり、6月としても過去22年間で最高の数字となった。 販売台数の増加は、すべてのトラクターの種類おいて、オーストラリアのすべての州に見られた。 特に興味深いのは、60-90 PTO出力(kW).のトラクターの販売台数が74%増えて460台になったことである。  今年の第2四半期(4-6月期)もトラクターの販売台数が4,250台となり、1985年第2四半期(4-6月期)以来最高の数字となっている」と話した。   
  Agriview社によれば、今年上期(1-6月)の販売台数は、前年同期より18%(1,100台)増え、上期としては過去25年間で最高となったとしている。 (Source: The Land, 04/08/09 "Tractor sales in overdrive")
08月12日2009年 動物保護団体による生体羊輸出廃止の要求に反論 − 農家連盟

  西オーストラリア州農家連盟は、動物保護団体のRSPCAが生体羊の輸出の廃止を求めていることに反論した。 
  RSPCA (Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals : 英国動物愛護協会)が委託した報告書では、 5年間かけて徐々に羊の生体輸出廃止を行なえば、当初考えていたより農家への経済的な影響は少ないとしている。 これに対して、西オーストラリア州農家連盟は、RSPCAの代表とこの報告書への懸念について協議するために会った。 
  同連盟のジェフ・マレー氏は、「西オーストラリア州の家畜輸出産業は、西オーストラリア州の経済に年間5億ドル寄与している。 この輸出は羊農家にとって重要なビジネスである。 西オーストラリア州には十分な食肉処理場のスペースがなく、熟練した技術者も不足で、生体輸出は羊肉の価格に大きく貢献している方法のひとつである。 生体輸出によって西オーストラリア州の羊の生産が拡大し、価格も満足するものである。 またRSPCA はいくつかの問題点を考慮していない。 まず最初に言えるのは、生体輸出に関係する、たとえば穀物業者やトラック業者などのすべての産業についての影響については言及されていない」と反論した。 (Source: ABC, 07/08/09 "RSPCA slammed over live sheep report")

08月12日2009年 7月のオーストラリアの新車自動車販売は商用車が依然好調

  最新の新車自動車販売の統計では、依然商用車の販売が好調で、小型車、スポーツカー、SUV(多目的スポーツ車)も回復してきた。 連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計によると、7月の乗用車、 SUV、商用車を含めた新車自動車販売台数が7万5,333台となり、前年同月と比べると10.3 % (8,643台)減少した。 
  FCAIのアンドリュウ・マッケラーCEOは、「7月は6月の高い需要の流れを引き継いだ形跡がある。 特に商用車は政府の減税政策が影響している。 この減税による経済刺激策は効果的で、中小企業は今年の末まで50%の減税が受けることが出来る」と話した。 
  7月の小型車の販売台数は前年同月比で2.7%、スポーツカーは10.3%、中型SUVは2.4%、高級SUVは7.2%それぞれ増加している。 今年に入ってからの新車販売台数の累計は53万556台で、前年同期と比べて15.3%(9万6,115台)少なくなっている。 7月で最も販売台数が多かったメーカーはトヨタの1万6,664台で、2位は1万266台のホールデン、フォードは7,783台で3位となっている。 (Source: FCAI, 05/08/09 "Business sales continue to provide a boost to car market")

08月12日2009年 アジアへのサクランボ輸出に優位 − タスマニア州

  タスマニア州のサクランボ業界はアジアへの輸出の好調を満喫している。 雑誌”Asia Fruit Magazine”の編集者のジョン・ヘイ氏は、タスマニア州では直径3センチかそれ以上のサクランボが生産できると話した。 またタスマニア州がミバエ不在地域という状況が、アジアのマーケットにとって魅力的となっている。 
  ヘイ氏は今週タスマニア州ホバートで開かれた全国サクランボ、リンゴ、梨会議(National Cherry, Apple and Pear Conference)において、「タスマニア州は、アジア市場からの大きく、赤い、実の締まったサクランボの需要に対して好位置にいる。 しかし、それにあぐらをかいてはいけない。 オーストラリア産やタスマニア産というブランドによりいっそう磨きをかけなければならない。 また、オーストラリアの生産者は、チリなどの低価格のサクランボを輸出する業者に対抗するために、アジアへの海上輸送を検討すべきである」と話した。 (Source: ABC, 06/08/09 "Tassie cherry growers at export advantage")

08月05日2009年 連邦政府が廃業するロブスター漁師に給付金−西オーストラリア州

  西オーストラリア州のロブスター業界団体Western Rock Lobster Councilは、連邦政府によるロブスター漁師に対する廃業手当てを給付する計画を歓迎した。 
  連邦政府は西オーストラリア州のロブスター漁師に対して、いわゆる”尊厳を持った撤退”に15万ドルを支給することを検討している。 現在このような給付は、干ばつにより被害をを受けた農業や養殖産業を対象としている。 
  Western Rock Lobster Councilのデクスター・デービス氏は、「現在ロブスター業界は、ロブスターの個体数が記録的に低い水準にあることで、悲惨な状況にある。 この給付金は、残念ながら廃業せざる終えなくなったロブスター漁師にとって助けとなるものである」と語った。 (Source: ABC, 04/08/09 "Rock lobster industry thrown lifeline")

08月05日2009年 カンガルー業界は新しい市場開拓を迫られる−クイーンズランド州
08月05日2009年 人から豚インフルエンザが感染した豚が見つかる − NSW州 
  ニューサウスウェールズ州保健省は、養豚場の従業員から豚インフルエンザに感染した豚が2,000頭いると見ている。 同省はニューサウスウェールズ州中西部Dunedooにある養豚場の従業員を検査し、それらの従業員が感染源であると確認した。 ほかの養豚業者やニューサウスウェールズ州食品局は昨夜、消費者に対して豚肉は食べても安全であると発表している。 
  7月30日に同州の科学研究所による最初に行なった検査で豚インフルエンザの陽性反応が出てから、疾病専門家は急激な発生を抑えようと試みている。 科学研究所のマクドナルド氏は、「今回がオーストラリアで最初に発見されたH1N1型のインフルエンザで、人によって豚に感染された。 この養豚場のオーナーや従業員は以前インフルエンザのような症状があり、ニューサウスウェールズ州保健省の検査でH1N1型と確認された。 この養豚場は閉鎖され、ウィルスが広がらないように対策がとられた」と話した。 
  州政府は、これらの感染した豚が商品として市場に出回っていないことを確認している。 州食品局は昨夜、「ハムやベーコンなど豚肉は食べても問題なく、豚肉を含めた生の肉を扱った後は、石鹸を使って流水でよく手をあらい完全に乾かして欲しい、そして調理に使ったまな板や包丁などの台所用具も清潔にするように」と話した。 (Source: Daily Telegraph, 01/08/09 "Farm quarantine as 2000 pigs catch swine flu")
08月05日2009年 連邦政府にロブスター漁師への廃業手当てを要請−西オーストラリア州

  西オーストラリア州のロブスター漁師は、干ばつの際に農家へ支給した廃業手当てと同様の給付金を受けることになるかもしれない。 
  西オーストラリア州政府のノーマン・ムーア水産大臣は、連邦政府のトニー・バーク農水林業大臣に、来シーズンもロブスターの漁獲量を削減することになり、漁師たちに15万ドルの給付金を要請する手紙を出した。 ムーア水産大臣は、ロブスターの幼生が大幅に減少し、ロブスターの漁獲量が急速に減っていることで、今シーズンの漁獲割り当て枠を9,000トンから7,800トンまで削減した。 また、今後ロブスターの幼生が増えない限り、捕獲かごの数を減らしたり、漁業日を週3日にするなどして、漁獲枠を5,000トンまでにさらに削減するとしている。 
  一方、ロブスター漁師は、もしさらに漁獲枠が削減されれば、現在400隻あるロブスター船の半数が廃業に追い込まれると警戒している。 (Source: ABC, 27/07/09 "Minister calls for exit packages for WA rock lobster fishermen")

08月05日2009年 世界初のマヒマヒの養殖事業はあきらめない−西オーストラリア州

  海洋養殖業者のMarine Farms社は7年前から、世界で最初のマヒマヒ(シイラ)の商業生産する企業となることを目指している。 西オーストラリア州Exmouth湾沖の深海に済み、成長が早いマヒマヒはヨーロッパやアメリカでよく食べられている魚である。 
  同社は2003年に最初の孵化場を建設し、年間2,500トンのマヒマヒの養殖を計画していた。 しかしこの計画には、海水タンクの問題や幼魚の死などの多くの障害があった。 しかし、同社のマネージャーのデービット・ピラグネル氏は、まだこの計画はあきらめないとしている。 (Source: ABC, 29/07/09 "Fish farm won't give up on Mahi Mahi")

08月05日2009年 大手マグロ養殖業者昨年度は600万ドルの赤字−南オーストラリア州